「どうせうまくいかない」を手放す。サーバント・リーダーシップを体感する
新潟県女性財団で、『支えることで、 人と組織は強くなる〜サーバント・リーダーシップという新しい選択〜』と題する2.5時間のオンライン・ワークショップ行いました。
サーバント・リーダーシップは、奉仕型、ソフト型、ファシリテーション型のリーダーシップともいわれますが、①傾聴、②共感、③癒し、④気づき、⑤説得、⑥概念化、⑦先見力、⑧執事役、⑨人々の成長に関わる、⑩コミュニティづくり、という10の特性からなる実践哲学。モノごとが多様化・相互依存化・複雑化し、スピーディで、正解もないVUCAの時代では、これまでの上意下達式の指示・命令によるリーダーシップがうまく機能しなくなっています。社会課題の解決における多様な主体による協働やコレクティブ・インパクトの実践に向けても、必要な素養だといえます。

今回は、リーダーシップを探求する前提として、そもそも「自分はどのような価値観や信念を持っているのか?」という自分の棚卸しを事前課題として行ってもらいました。「価値観」は、無意識の深いレベルで持っている評価のフィルターで、行動を動機付けるものであり、良い/悪い、正しい/間違っている、肯定的/否定的を 決定し、人生の方向性や目的につながっていくものです。「信念」は、世界や人について経験したことについての一般化であり、私たちが世界はこうであると信じていること/ものです。人に動機やる気を与えたり、能力を引き出すようなプラスに働くものもあれば、人に制限を加えたり、限定したり、可能性の障害になるようなマイナスに働くものもあります。これらは「〜しなければならない」「〜すべき」といった表現で、思い込みや囚われともいえるものです。単に知識としてのサーバント・リーダーシップを学ぶのではなく、これらの価値観や信念と照らし合わせることで、あらためて自分が今後取り組んでいく課題の解像度が高まってきます。
知識としての学びを踏まえ、後半では、グループワークでリーダーシップを実践してもらいました。あるテーマについて、お互いに妥協せずに納得がいくまで話し合ってもらうというものでしたが、サーバント・リーダーシップの特性を握りしめ、自分の価値観・信念をしっかりと認識しながら、表出された意見にとどまらず、「その心は?」「そこにある想いは?」をお互いに聴き合っていく中で、魔法をかけたかのように合意に進んでいきます。グループのやり取りを後ろで拝見しながら、何度か、「おおっ!」と声をあげそうになる瞬間もありました。短い学びの時間の中で、参加者全員がサーバント・リーダーシップの特性を意識しながら、対話を行なっていたように思います。
事後アンケートでは、参加者の皆さんから高い評価をいただいたのですが、なにより全員がアンケートを提出してくださったことが嬉しいですね。それぞれに、これまでの、そして今後の自分に何かしら気づき、言葉にしておきたい何かがあったということ。そしてそれをしっかりと言語化して書き出すことで、今後の日々の実践に向けたアンカリング(碇の役割)としての効果もあります。
自分が実際に所属するもっと手強い(!)職場などでは、ワークショップの場のようにすんなりとは話が前に進んでいかないかもしれませんが、手がかりや感触は得られたはず。まずは「どうせうちの職場ではうまくいかないだろう」という信念(思い込み)を外すところが最初の一歩ですね!
