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神奈川大学と法政大学で講師デビューです!

2019年04月18日 代表メッセージ

この度、ご縁をいただき、神奈川大学法政大学で非常勤講師を務めることになりました。

これまでにも大学にはゲストとして学生の皆さんにお話をする機会は何度かあったのですが、こうして講師として連続した授業を受け持つのは初めてです。年始あたりからシラバスの作成を行ってきましたが、限られた時間の中で学生の皆さんに何を学んでもらうかだいぶ悩みながらカリキュラムを作りました。非常勤講師という比較的自由度(?)の高い立場ということもあり、一方的な講義ではなく、学生の積極的な参加によるアクティブ・ラーニングとアクション・ラーニングを前提とした実践的かつインタラクティブな場にしていきたいと思っています。

まず4月からの前期では、神奈川大学人間科学部で『メディア・リテラシー』という科目を担当します。歴史的には、マスメディアから発信される情報を批判的に評価・分析できる能力(リテラシー)を育むことを目的とするのがメディア・リテラシーですが、ソーシャル・メディアの登場もあり、個人自らが情報発信できる能力も求められるようになっています。この授業では、メディア・リテラシーの基本を学んだうえで、メディア・リテラシーそのものの専門性を高めるというよりも、そのリテラシーをまちづくり地域課題の解決などにつなげることを狙い、最終ゴールを地域活性化に向けたローカルメディアの制作としています。

到達目標は、以下の4つです。

①メディアの基本的な概念や機能、役割などを理解すること
②地域や社会にどのような課題があるかを知るとともに、それらの解決に向けて活用できる資源があることを認識すること
③地域の課題解決や価値創造に向けて、メディアのメッセージを読み取るだけでなく、自ら発信する能力を身につけること
④自分とは何かを見つめ直し、主体性を持って地域や社会に関わっていくようになること

 

<メディア・リテラシー授業計画>

概要 詳細
1 オリエンテーション 講義内容、到達目標、成績評価の説明と質疑応答などを行う。
2 メディア・リテラシー概論①メディア・リテラシーとは? メディア・リテラシーの基本概念や機能、役割などについて理解する。
3 メディア・リテラシー概論②メディアの種類 マスメディアやソーシャルメディアなど、様々な種類のメディアが存在することや各メディアがどのような特徴を持っているかなどを理解する。
4 地域分析①地域アセスメント 地域活性化に向けた地域の実態把握を行うための基本的な調査手法、人口動態や生活環境の変化をはじめとする地域アセスメント手法を習得する。
5 地域分析②地域踏査 実際に地域を歩くことにより、自分の五感を駆使して情報を得ることを目的とし、地域踏査(フィールドワーク)を実施する。
6 地域分析③地域課題及び地域資源の把握 地域課題や地域資源を把握するために、地域で活動するボランティア団体やNPOなどから直接情報をヒアリングする。
7 自己分析 地域活性化における自分の関わり方やスタンスを検討するため、自分の大事にしている価値観や興味関心のある領域、自分の強み・弱みを把握する。
8 メディア企画のアイデア発表 現段階で自分の考えるメディア企画について発表・共有し、受講生同士の相互フィードバックを行う。
9 ターゲット設定 発信する情報の受け手(ターゲット)はどのような人を対象とするのかを考え、具体的なペルソナ像を作成する。
10 コミュニケーションの基本 どのようにしてターゲットに情報とその価値を伝えるのか、広告宣伝や広報を含む、コミュニケーションの基本を習得する。
11 ローカルメディアの分析①紙媒体 地方新聞や情報誌、チラシなど、紙媒体を取り上げ、その狙いやターゲット、機能などの分析を行う。
12 ローカルメディアの分析②Web媒体 地域情報を発信するWebメディアを取り上げ、その狙いやターゲット、機能などの分析を行う。
13 ローカルメディアの分析③事例研究 ローカルメディアの現状、制作業務の詳細、今後の課題などの実践事例を学ぶ。
14 地域活性化に向けたメディア企画の発表 企画した自分のメディア企画を発表する。

 

 

そして、9月からの後期には、法政大学現代福祉学部で『ボランタリーアクション』という授業が待ち構えています。ボランタリーアクションとは、“地域や社会の課題を自分ごととして捉え、課題解決や新しい価値の創造に向けて自発的・主体的に起こしていくアクション”のことで、そのアクションを実践するための計画書『Myボラ』を策定することをゴールとしています。ボランティアや社会課題に関する基本的な知識を習得したうえで、具体的には、NPO 等でのボランティアをはじめ、地域情報の発信、地産地消、寄付、NPO 等への企画提案、自主イベントの開催、社会起業(団体設立)など多岐にわたるボランタリーアクションを自ら企画してもらいます。

到達目標は、以下の3つです。

①個人で実践できる身近なものから組織として取り組む規模の大きなものまで、様々なボランタリーアクションがあることを理解する
②地域や社会にどのような課題があるかを知るとともに、それらの解決に向けて活用できる資源があることを認識できる
③地域や社会の課題解決に向けた主体的なアクションプランが策定できる

 

<ボランタリーアクション授業計画>

概要 詳細
1 オリエンテーション 講義内容(ボランタリーアクショ ンとは何か?)、到達目標、成績 評価などの説明と質疑応答などを 行う
2 NPO ・市民活動とボランティア NPO や市民活動が登場した歴史的背景や、ボランティアの定義、歴史、動向、事例などを学ぶ
3 ソーシャルビジネス概論 一般的な営利企業との違いを踏まえ、ソーシャルビジネスとコミュニティビジネスについて理解する
4 SDGs と 17 の目標 2015 年 9 月の国連総会で採択された SDGs(Sustainable Development Goals :持続可能 な開発目標)について、17の目標の詳細や取組事例を学ぶ
5 ボランティア実践者との対話 様々な分野におけるボランティア活動の実践を学ぶ(ボランティアセンターのスタッフや活動団体との対話など)
6 『Myボラ』案の発表 ここまでの授業を整理し、現段階で検討しているボランタリーアクション・プランを発表する
7 『Myボラ』策定に向けた自己分析① どのような分野で、どのような方法でボランタリーアクションを実践していくか整理するための自己内観・分析ワークを行う(自分の大事にしている価値観を洗い出す)
8 『Myボラ』策定に向けた自己分析② どのような分野で、どのような方法でボランタリーアクションを実践していくか整理するための自己内観・分析ワークを行う(自分の強み・弱みを把握する)
9 対人コミュニケーショ ン ボランタリーアクションを行う際に必要な「傾聴力」や「質問力」を高めるためのワークショップを行う
10 『Myボラ』中間発表 『Myボラ』策定に向けた中間発表と学生同士の相互フィードバックを行う
11 ボランティア実習 フィールドワークとして NPO などを訪問し、実際にボランティア活動を行う
12 合意形成 ボランタリーアクションを行う際 に必要な他者との「合意形成力」を身につけるためのワークショップを行う
13 協働の実践 地域づくりに必要な多様な主体との「協働」を学ぶためのワークショップを行う
14 『Myボラ』最終発表 『Myボラ』の最終発表

 

両者に共通した自分の想いは、学生の皆さんがそれぞれの授業をとおして、自分が大事にしてきたものは何か、これから大事にしたいものは何かを考え見つけ出すことです。そして、そのことを当面のゴールである就職に活かしてもらうことです。学ぶ内容がどちらであれ、必ず「自分は何者か?どこへ向かうのか?」という問いと向き合うことになっています。

新年度が始まってから既に2回ほど大学に行きましたが、その度にいつも思うのが、学生時代にもっと勉強をしていれば良かったということ(苦笑)。その当時は、“学ぶ”ということの意味も価値も分かっていなかったのですが、学生の皆さんには自分を反面教師としてもらいながら、4年間という限られた時間を有意義に使ってもらいたいなぁと思っています。

自分もピカピカの1年生として頑張ります!