「子どものため」を錦の御旗にしない——持続可能なPTA活動に向けて

10月10日(土)、横浜国立大学にて、神奈川県高P連横浜北地区協議会(第2回理事会)と令和8年度横浜北地区大会が開催されました。
理事会の方は特に大きな議題もなく、今後開催される予定の研修大会の進捗共有と、来年度の協議会の担当校の引き継ぎの案内くらいで終了。午後からはメインとなる北地区大会で、今年度は2校から活動報告がありました。
1つ目の高校からは、「PTA活動のオペレーション戦略」と題して、各委員会の活動報告に加え、最近開催された文化祭でのPTA本部役員によるドリンク販売(果物をミキサーにかけたジュース)について発表がありました。なんと2日間、ボランティアさんのサポート無しで、役員8名だけで約1,400杯を販売したそうです。「お〜すごい!」で発表が終わろうとしたタイミングで、発表者の一人である副会長さんから、「子どもや学校のためとは言いつつ、かなり無理をして休憩もなく動いたので本当に疲れた。これが正しい姿とは思っていない」といった趣旨のコメントがあり、大きな拍手が湧き起こりました。これまでも何回か各校のPTAの活動発表の場に参加していますが、成果を出すために頑張っている側面(時には自慢話も!)が紹介されることが多い印象があるのですが、役員の方の本音が共有・共感された素敵な場になりました。
「できる人が、できる時に、できることを、できるだけ」というフレーズは、PTAを含む、ボランティアの世界ではよく言われること。でも実際には、その場の勢いやノリでこのことがどこかに行ってしまい、我を忘れて頑張り過ぎてしまうこともあります。「子どものため」も「学校のため」も目的としては大事ですが、これ以外の選択肢や声を許さない”錦の御旗”として掲げられてしまうと、それは暴力以外の何もでもありません。持続可能なPTA活動の大前提として、あらためて「自分のため」も大事にしてもらいたいと思います。
もう1つの発表校では、急遽発表予定の会長が参加できなくなるという事態になりましたが、副会長を中心に、広報委員会の皆さんが作成されたと思われる動画付きのしっかりと作り込まれたプレゼンをされ、こちらもチームワークを感じさせる発表でした。発表担当者の割り振りや、喋り方も落ち着いていらっしゃり、発表の練習もだいぶされたように感じました。2校とも、事前の準備から当日の発表まで、本当にお疲れ様でした。
大会の最後はゲストによる講演。今回は、「親子で描くキャリア地図〜親ができるキャリアサポート」と題して、神奈川工科大学)学長補佐の小池あゆみ教授の講演をお聞きしました。「あなたはお子さんにどんな幸せを願いますか?その幸せは、お子さん自身が望む幸せでしょうか?」という問いかけから始まり、大半は女性のキャリア(特にリケジョ)についての内容でした。ご自身も遠い昔、地方出身で大学進学や就職活動の際には苦労されたそうで、その後の結婚や出産、キャリアの積み重ねなどについて実体験を踏まえたリアルなお話を聞かせいただきました。あっという間の90分でしたが、最後に3つのアドバイス(↓)もありましたので、共有しておきます。
❶答えを提案するのではなく、子どもの話を聞く
❷自分の経験を、唯一の正解にしない
❸選ぶことも、選び直すことも応援する
よくよく考えたら、18歳かそこいらで人生を決めるというのは、自分の昔を思い起こしても無理ゲーな話。大人になるとなぜかそんな当たり前のことを忘れてしまい、あたかも全て分かっているかのように、大人の考えを一方的に押し付けてしまいがちです。「何をやりたいんだ?」と聞かず、「何が好きか?(楽しいか?)」と聞くことをあらためて意識したいと思い直した時間になりました。
そしてこのことは、前述の「子どものため」ということにもつながることですね。「子どものためとは一体どういうことなのか?」、あらためて考えてみたいと思います。

