システム・コーチング®@ファンドレイジング日本2020
9月5日から8日間にわたり、完全オンラインで開催された『ファンドレイジング日本2020』が閉幕しました。
今年は3つのセッションに登壇しましたが、中でも、認定NPO法人かものはしプロジェクト の広報・ファンドレイジングディレクターを務める小畠瑞代さんと登壇した「ファンドレイジングを成功に導くチームをつくる!〜<参加型セッション>理想のチームづくりを体験しよう!〜」はとても良い経験となりました。
このセッションは、システム・コーチング®を活用した参加型セッションで、”オンライン・ファンドレイジングの推進に賛成か反対か?”をテーマとして取り上げ、60分という短い時間ではありましたが、相互理解の難しさとその対立を超えていくプロセスを体験してもらいました。実際に、コロナ禍で、タイムリーにこの課題に向き合っている組織もあるのではないでしょうか?
このワークでは、参加者を賛成と反対の2つに分けたうえで、それぞれを”国”と見立てます。国というメタファー(比喩)に置き換えることで、生々しい対立から少し意識を変えて自由に、かつクリエイティブに、それぞれの立場や主張、大事にしていること、抱えている辛さや困難などを認識し直すことができます。そして、物理的に国と国の間の”国境”を超えて、お互いの国に旅行し合いながら、体感的に相手に対する理解を深めていきます。この時に大事なポイントは、それぞれが持つ自国固有の価値観や伝統、先入観を一旦手放し、”郷に入っては郷に従え”という間隔を持つことです。そして最後に、お互いの国境を取り除き、1つになった”私たちの国”として何がそこから可能になるかを全員で考えていきます。コーチの役割はアドバイスをすることでも評価判断をすることでもなく、その場で何が起きているかを反映したり、問いかけをしたりしながら、システム(参加者)に気づきを与えること。その先で、システムはどうあるべきか、どうありたいかを自らが考えていくようになります。
ファンドレイジングには知識やスキルが必要なことは言うまでもありませんが、それを団体内で最大限に活かせるかどうかはまた別の話。ファンドレイジングは単なるお金集めではなく、担当者一人だけが黙々とやることでもありません。団体のビジョンやミッション、バリューとの整合性なども踏まえ、組織全体として取り組むべきものだからこそ、団体内外の関係者の間で共通認識と腹落ち感を持てなければ大きな動きにはなっていきませんね。
システム・コーチング®は対面でやるのが一般的ですが、今回はオンラインにチャレンジしてみました。やってみるまではどうなることかとドキドキしていましたが、熱量の高い参加者の皆さんとともに豊かな場が創れたように思います。そして、これからの展開に向けて良いインプットの機会にもなりました。「迷ったら一歩前に!」って、あらためて大事ですね〜