秋田県庁職員向けのマーケティング研修
7年前に市民活動向けの講座でお邪魔して以来、久しぶりに秋田県へ。
今回は、秋田県庁職員向けに『農山漁村の地域づくりにおけるマーケティングの視点について』と題する研修会でお邪魔しました。
オンライン/オフライン合わせ、農山村振興に携わる総勢約50名の方々が参加。第一部は講義形式で自治体や公務員にとってのマーケティングとは何かについて概要をお話しました。第二部は対面参加者向けに、自分の担当業務を「5つの実践ステップ」にに照らし合わせながら、実際的なワークを行ってもらいました。

2つ目のステップであるターゲットの設定では、高齢者や若者といった大きな括りではなく、あたかも実在するかのような架空の人物像であるペルソナまで作成していきます。ペルソナ作成を本格的にやろうとすると時間やお金を投下して材料集めや分析を行わなければならず、現実的には対応が難しいことがあります。こうした場合は、「ない袖は触れない」と一旦諦めることも大事で、出来るレベルのことをやるのが現実的な解となります。そうした場合でも、関係者間での合意形成だけはしっかり行っていただきたいと思います。
自治体マーケティングでは「ターゲット起点」で政策・施策・事業を設計していくため、関係者間で「誰に対して行うのか?」の目線が一致していないと関係者間で整合性のないバラバラな動きとなってしまいます。仮にターゲット(ペルソナ)が間違っていたとしても、合意のもとで納得感と成果に対する意欲を持って事業を進めていたならば、設定したペルソナの間違い(ズレ)にも気づきやすく、あらためて全員で軌道修正をする際の合意も作りやすいでしょう。一方で、合意形成もなく、かつ設定したペルソナに納得感もない場合は、何となく間違っていると感じていても口に出さず、成果のでない取り組みをズルズルと続けてしまうことにもなりかねません。ターゲット起点ということは、最初が間違っているとその後全て間違った方向に行ってしまうということではありますが、精度にこだわりすぎるよりも、関係者全員の腹落ち感を大事にする方が良いですね。あっという間の2時間30分でしたが、マーケティングのエッセンスはお伝えできたと思います。

秋田県は知事自らマーケティングを推進されており、マーケティング戦略室も設置。公務員には馴染みの薄いテーマだけに、トップ主導でぐいぐい進んでいきますね。VUCAの時代で地域や社会の課題も多様化・複雑化する中、自治体の限られた財源やマンパワーだけで実現できることはほとんどありません。目指すビジョンを掲げ、そこに向けて本当にやらなければならないことは何かをバックキャスティングで考えつつ、個々の政策・施策・事業のターゲットを明確にして、そのニーズに応えていく。その要となる思考と実践技術がマーケティングであり、公務員にはその推進におけるコーディネーターとしての役割が求められます。

今回は飛行機で行きましたが、東京へ引き返す可能性もあるという条件付きでのフライト。無事に到着しましたが、今シーズン初めての雪は秋田となりました。ジョギングの用意をしていたのですが断念し、寒い中、朝から市内の名所をひたすら歩いて散策。滑らないように足に力を入れて歩き回ったこともあり、午後からの研修開始前には下半身が筋肉痛に。そして、ポケットに手を突っ込んで歩くとバランスが悪いので、手袋がマストだということを学びました。

