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「パーパス」と「地域経営」を考える週末

2024年02月17日 事業レポート

2月16日と17日の2日間、故郷・周南市にて2つのお仕事です。

初日は市民活動団体や地域団体の皆さんを対象とした、「個人のパーパスを探る〜しあわせな組織であるために〜」と題する講座です。地域での活動にいきいきと持続的に取り組んでいくためには、組織とメンバー個人の価値観や使命感が重なり、活動の中で幸福感や充実感を感じられることが重要です。当日は「自分史」の作成などを通して、まずは自分自身の『パーパス』(=人生の目的、存在意義)を紐解いてもらいました。

 

 

初めてお会いする人同士でしたが、少しずつ自己開示を行いながら、自分がどのような価値観やパーパスを持ちながら日々過ごしているのか、現在の活動を行っているのかを掘り下げていきました。このセミナーでの気づきを、現在所属している組織などの関係性にも持ち込み、他のメンバーと胸襟を開いて対話をすることで、いつものお馴染みのメンバーとの関係性にも新たな気づきが生まれてきますね。

そして2日目は、令和5年度の「周南市地域創発会議」でのファシリテーションです。

周南市では、第2次周南市地域づくり推進計画に基づき、地域づくりに関する多様な取り組みをとおして、地域の困りごとの解決や魅力拡大を行う「地域の夢プラン」を推進しています。現在、21団体が計画を策定し、実践活動に取り組んでいますが、担い手不足、財源確保の難しさ、関心の薄れなどの様々な課題からプランの進捗管理や事業の継続、第2期以降の計画策定が難しくなっています。

 

 

こうした中で、今年度の地域共創会議では、2つのコミュニティ推進協議会から取り組み事例をご紹介いただきました。地域特性を踏まえた様々な工夫がなされていましたが、その前提には「地域経営」という視点があったように思います。地域づくりでは前年踏襲で粛々と行事やイベントをこなすだけではなく、

(1)住民からの共感と協力のもと、地域の目指す未来の姿(ビジョン)を掲げる

(2)地域資源(人/モノ/金/情報/場所)を把握、創出、醸成、活用、循環、連携することを厭わず、時間をかけて丁寧に行う

という『地域経営』の2つの視点が不可欠です。組織の経営とも本質的には重なる部分が多くありますね。

地域資源のうち、参加された皆さんの抱えるお悩みの大半は「人」に関するもの。実は、他の地域資源も「人」の要素が整うことではじめて手に入れたり、活用したりすることができるものなのです。あらためて「人」は、地域資源の中で最も重要で、かつ取り揃えるのが難しいものだという認識が必要ですね。

超少子高齢化が進む中、もはや自分の地域の中だけで完結して地域資源を整えようとするのは至難の業。根本的な発想転換が必要です。あらためて、こうした地域づくりの実践者が集まる機会を設けながら、お互いの悩みを聴き合い、それぞれの持つ資源を融通し合える関係性や連携を育んでいかなければならない時代になってきているのだと思います。待ったナシですね。