まちづくりとシステム・コーチング®
11月9日(水)、武蔵野大学の『市民が動き出す私たちのまちづくり講座』にお邪魔しました。学生20名と一般市民7名が参加による武蔵野市の寄付講座です。
テーマは「みんなが力を発揮できるチームづくり」ということで、システム・コーチング®を行いました。まちづくりは人づくりと言われますが、人と人との関係性づくりも併せて必要です。社会が多様化し、複雑になっていく中で、社会課題も簡単に国境を超えたり、さらに様々な分野が相互に絡み合い複雑化してきています。こうした社会では、行政だけがとか、NPOだけがといった単独の主体によるのではなく、多様な主体による協働関係を構築して社会課題の解決や地域の活性化に向かっていかなければなりません。
また、現代のように先の読めない社会では、過去の成功事例も通用せず、唯一の正解もありません。あるのは関係者が膝を詰めて、頭と心と身体と魂をフル活用した対話をつうじて得られる”納得解”だけです。行政主導のまちづくりでは、ともすると成果としても目に見えやすいハード面がクローズアップされがちですが、人というソフトを中心におき、世代を超えたチームづくりを行なっていかないと、まちづくりはどこかで止まってしまいます。
寄付講座というユニークな機会をつうじて、普段は中々出会うことがない地域住民(高齢の方が大半)の方と学生が集まりました。縮小していく日本社会において、誰か一部の人たちだけでなく、誰もができることを持ち寄りながら地域づくりをしていかなければならない中、世代を超えた関係性づくりは不可欠です。生まれてから現在に至るまでの時代背景や人生経験、そこから培われた価値観や世界観などが異なる世代同士が、まちづくりを真ん中に置いて相互理解を深めながらまちをつくり続けていく。今回の講座では受講生を一つのシステム(チーム)と捉え、お互いの心の奥深くにあるまちづくりへの想いを言葉だけでなく、体感的に感じ合ってもらいました。
ワークをつうじて、市民の方々が市民参加や市民がまちづくりの担い手だという真摯な思いを共有してくださったり、学生が自分たちの言葉でまちづくりへの距離感や将来的な関わりについて表現することができたりした貴重な機会になったと思います。まちづくりのイメージが変わったという学生の発言も印象的でした。
立場や世代が多様であるほど、言葉や思考だけで伝えられることは少なく、そして難しくなります。”身体知性”と言われますが、身体や心で感じられることの方が実はより本質的な部分をお互いに理解し合うことできます。システム・コーチング®は、多様な主体による協働やコレクティブ・インパクト、多世代交流、ダイバーシティ&インクルージョンなどでは、とりわけその効果を実感しやすいですね。
100分という短い時間でしたが、受講生の皆さんが相互の関係性の中から何か新たな気づきを得られたようなら嬉しいですね〜😊
主催者の武蔵野大学でのnote記事はこちらから。