『未来の先生展2019』でのシステム・コーチング®
9月15日、日本最大級の教育イベント『未来の先生展2019』でファシリテーターを務めました。
担当したのは、子どもの放課後改革を牽引するNPO、放課後NPOアフタースクールが企画するセッション、「学校×地域×企業!放課後ならではの育ちと学び」です。想定していた以上に沢山の方にご参加いただき、あらためて子どもたちの放課後のあり方に対する興味関心の高さを実感。教師の皆さんをはじめ、学生や企業の方まで多岐にわたる参加者にお越しいただいたのもちょっとした驚きでした。
セッション前半では、代表)平岩国泰さんから、放課後の実態、放課後NPOアフタースクールの歩み、STEAM教育への取り組み、企業とのコラボレーション事例の紹介などがありました。
後半で私にバトンタッチ。ロールプレイをつうじて子どもたちの放課後に関わる様々な利害関係者の立場を体感しながら相互理解を深めるというワークショップを行いました。アイスブレイクの後、『小4の男子5人が放課後に校庭で野球をやるとしたら・・・』をテーマに、どのような利害関係者が存在しているのか、そしてそれらの人々はそれぞれどのような立場で、想いや願い、不安や心配を抱えているのかを役割を演じながら声に出していきました。
ワークショップのベースにしているのは、2人以上の人によって成立する関係性を対象とした『システム・コーチング®』。ここでいう“システム”とは、「共通の目的や独自性(アイデンティティ)を持った相互に影響を受け合う人びとの集まり」を指します。
ワークショップでは、当事者の男子生徒をはじめ、女子生徒、担任の先生、校長先生、保護者、地域住民、塾経営者、企業、球団などの利害関係者の存在が明らかになるとともに、テーマに対する賛成派も反対派も現れました。ともすると多数派に打ち消されがちな小さな声や声なき声にも耳を傾けながら、このテーマに関わる人たちそれぞれの声をつむぎ、地域や社会全体として子どもたちの放課後をどのように作っていけるのかのヒントを探っていきました。
1時間弱の短い時間の中で、心も体も温まり切っていないにもかかわらず、初めて出会う人たちの前で、即興で沢山の”声”を出して頂いた皆さんに心から感謝です。参加者同士での気づきが多い、そして実りのある場になりました。
最後に、アンケートでは参加者の皆さんからこのような声をいただきましたので、一部ご紹介いたします。
・学校に地域やいろいろな立場の人が関わると、学校だけでは解決できないようなことが解決できたり、可能性が広がったりすることが分かりました。 ・子供たちが、放課後を自由に遊ぶことが難しい時代に、活動を保証する仕組みが必要ですね。 ・やっぱり地域にはコーディネーターは必要!! ・ロールプレイングで、あえて苦手な役をやったら、気持ちが分かった。 ・地域や家庭を巻き込んで展開するのは良いことだと思いましたが、段々と子ども主体ではなくなってきていると感じました。子どもがやりたいと思うことをのびのびとやらせてやれるような支援の仕方と、目線を大事にしていかなければ、と気付かされました。 ・親として、これまで期待していなかった放課後時間の貴重さ、様々な人たちの関り・支えがあることの再認識ができた。 ・改めて放課後教育の可能性を感じました。学校教育ではできないことも、放課後ならできると思います。そのための課題もたくさんあるのも再確認しました。
|