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社会福祉協議会のブランディング戦略

2019年11月27日 事業レポート

 

11月26日、島根県松江市の島根県社会福祉協議会にて『オール島根社協ブランディング検討会』が始まりました。

社協が、ブランディング???

という印象があるかもしれませんが、ブランディングとは、あるべき姿を明確にし、それを伝え、共感を得ること。企業だけの話ではなく、あらゆる組織に必要なことです。

島根県社会福祉協議会では、各市町村社協が自らの事業や取り組みを「点検・整理」し、これから行うべき事業や取り組みを「検討・実践」していくための指針として、全社協が策定した第2次アクションプランに基づき、平成30年度から3か年を計画期間として「しまね版第2次アクションプラン」を策定し、「オールしまね社協行動方針」のもと、県社協と市町村社協が手を携えて取り組んでいくことを提案しています。今回の検討会は、こうした活動・取組みを着実に実践し、社協としての基礎体力を高め、地域福祉推進の専門機関として住民、行政、他の専門職からの信頼を高めるための「社協ブランド(らしさ)」の確立を図り、「社協ブランド」の浸透・深化に向けた取り組みを進めていくことを目的としています。

 

 

あらためて、ブランドとは組織の「あり方」を指し、あるべき姿や理想的な状態、ターゲットに対する提供価値(組織にとっての成果)、理念やビジョン、社是、コンセプト、行動指針、スローガン、社名/製品名、ロゴなどを含みます。一方、ブランディングとは「伝え方」のことで、社外に対するブランディング(広報、広告/宣伝、営業など)と社内に対するブランディング(リーダー育成、社内制度、コミュニケーションツールなど)に分けられます。

ブランド構築は以下の手順で行います。

(1)あり方を明確にする
(2)事業を考える/見直す
(3)デザインを考案する
(4)伝える/浸透させる

ブランドを構築していくには、“誰に対して”、“どのような価値を提供するのか”という点を明確にする必要があります。提供価値は機能的価値、情緒的価値、社会的価値の3つに分類できますが、単に価値を提供しているということにとどまらず、競合や同業他者との比較において優位性(ナンバーワン)独自性(オンリーワン)を備えていなければ、いいね!くらいには思ってもらえたとしてもお金を出して選ばれることはありません。

歴史が古い組織や規模の大きな組織にありがちですが、長く事業を行っていることがブランド構築に直結しているわけではありません。世間に知られているということと選ばれることとは違います。また、ロゴやHPをリニューアルすることがブランディングだという誤った認識がありますが、上っ面だけ変えても中身(人)が変わらなければブランドは育まれません。

今日は初回ということでブランドについて民間企業の事例を取り上げて講義を行い、それを受け社協にとってのブランドが持つ意味とは何かを議論しました。これから来年度にかけて伴走支援を行っていきますが、県下の市町村社協そして福祉活動をどのようにブランドとして整理していくか楽しみです〜!