BLOGブログ

石川県社会福祉協議会主催の中堅職員向け研修

2021年11月11日 事業レポート

10月19日と11月9日の2回に分けて、石川県社会福祉協議会主催の「令和3年度社協活動推進会議」で講師を務めました。

県下の中堅職員を対象にオンラインでの開催でしたが、第1回目は「協働に向けた合意形成」で対人コミュニケーションと複数人を対象としたファシリテーションの技法の習得を通じて、まずは組織内部や外部関係者との意思疎通をどう促進するか学んでいただきました。中堅職員という立場は、組織の内外において”上”と”下”の両方に挟まれて立ち廻りが難しいポジションだと思います。だからこそ、コミュニケーションやファシリテーションのスキルをしっかり身につけ、事業/プロジェクトの計画や実行における様々な話し合いの場で舵取りが求められます。当日は、話し合いの場に現れる様々な”シグナル”への気づきを高めることや、人間関係の上下の感覚に伴って立ち現れるパワーや特権(”ランク”と言います)の扱い方など、ワークを通じて体験していただきました。

 

 

第1回目では目の前にいる人へ意識を向けましたが、第2回目の「地域づくり活動の評価手法」ではそこからグッと視点や視座を上げて、地域全体や地域の長期にわたる未来を俯瞰的・長期的に考える手法について講義とワークショップを実施。地域福祉活動における様々な事業や計画を評価する際に、その目的や成果、指標をどのように設定し、どのように評価するのかを学んでいただきました。地域福祉活動では対象を”住民”という単位で捉えがちですが、支援を必要とする人の具体的なターゲット像と、その人の抱える問題が解決された状態(成果)を明確にする必要があります。その上で究極のゴール達成に向けて、その状態(成果)を段階式に分解して設定するのがポイントです。「地域で困っている人全てが活動の対象」と言いたいのは山々ですが、持てる経営資源は限られています。中途半端に風呂敷を広げても中途半端な結果にしかなりません。企業は利益につながる対象を「集中と選択」という切り口で選び、行政は「全体の奉仕者」として遍く公平に関わることが求められますが、NPOや社会福祉協議会は最後の一人まで支援することを目標としつつ、支援の必要性や課題の深刻度などに応じて「優先順位」をつけて取り組んでいかなければなりません。

 

 

それぞれ10時から16時までの長丁場でしたが、参加者の皆さんの高い集中力で中身の濃い時間となりました。この研修での学びを1つでも2つでも実践で活かしてもらえると嬉しいですね!