山口で地域づくりの仕事を終えて
3月21日、22日の2日間にわたり、山口県に出張でした。
1日目は、周南市ふるさと振興財団にて職員向けのチームビルディングと地域支援のためのスキルアップ研修です。かれこれ4年ほどアドバイザーとして伴走支援を行っています。ここ1年の間に若手が複数名入職したこともあり、組織全体が大きく若返っています。だからこそ普段の仕事とは違う機会をつくり、それぞれが大事にしている仕事の前提となる「想い」や「世界観」「人生観」などを共有することで、今後のお互いのあり方を確認し合う必要があります。
当日は、地域振興に関わる若手メンバーからアイスブレークとして、「共通点探し」と「秘密の自己」について司会とファシリテーションをしてもらいました。これに続き、お互いの「人生の出来事」を3つほど取り上げて、どのような価値観を大事にしているのかを時間軸と重ねながら共有していきました。お互いに知っているようで実は知らなかったことにも気づき、相互理解が1つ進んだ感じがします。
最後は、日々の地域振興の業務でも有用なツールとして、「SWOT分析」の練習を行いました。SWOT分析は、自組織の内部環境であるStrength(強み)とWeaknessw(弱み)、外部環境であるOpportunity(機会)とThreat(脅威)の4つの要素を整理して分析する作業です。練習ということで自組織の分析を2チームに分かれて行いましたが、SWOT分析の応用編である「クロスSWOT分析」に踏み込んだ途端に一気に思考のハードルが上がりました。前述の4つの要素を組み合わせて具体的な打ち手を考えるというものですが、第1段階の要素出しの段階で抽象的な表現にとどまって具体性がなかったり、抜けなく漏れなく洗い出されず偏りがあると、残念ながら打ち手を考案するまでに至らないのです。今後、地域の課題解決に関わっていく中で、ワークショップや研修の場でこうしたツールを使いこなせるようになるのは職員として不可欠なこと。お互いの関係性改善に向けて相互理解を深めるとともに、スキルアップの機会も定期的に持っていく必要があります。
2日目は、山口市阿東町に移動し、「地方の可能性を見つけて未来をつくるオンラインセミナー」のビジネスアイデア発表会にお邪魔しました。会場はこのセミナーの主催者であり、同地域を拠点にスーパーの経営や移動販売を行っている、NPO法人ほほえみの郷トイトイです。
あらためて思うことは、自分自身が切実に感じ、自分事として自己一致しているテーマや問題意識から始めることの大切さです。地域や社会の課題を解決するという“正しさ”だけを拠り所にすると、それは等身大の自分ではなく、どこかで無理が生じて破綻をきたすことがあります。活動の対象が地域の困りごとを解決するようなものであれ、楽しみやワクワクを生み出すような価値創造に寄与するものであれ、自分にとっての「やりたい」を大事にする必要があります。しっかりと自分を起点にすることで、活動を続けるうちに独りでは出来ないことに気づいたり、他にも同じ悩みや関心を持つ人と出会ったりつながったり、他者や地域全体にも意識を向ける余裕ができたりと、自然と他者や地域にも意識が向き、視野が広がり、具体的な関わりやつながりは生まれてくるものです。 「自己実現」の途上やその先に、「自己超越」した他者や地域コミュニティとの関係性が育まれるということでもあります。
2日目の夜は懇親会でしたが、2次会では数年ぶりのカラオケへ。「今どき、カラオケか、、、」と思いながらマイクを持ちましたが、バブルの頃の体験を身体で覚えていたようです。見事に豹変するものですね笑