地域づくりは、話し合いに始まり、話し合いに終わる
3月14日、山口県周南市の大河内地区にて、「地域の夢プラン」策定に向けたワークショップを行いました。
周南市では、都市部に先駆けて人口減少や少子高齢化が進行する中山間地域において、住民自らが、地域の課題解決や活力の創出に取り組む「地域の夢プラン」の策定やその実践活動を支援しています。
地域づくりは、話し合いに始まり、話し合いに終わります。とは言うものの、人の話を聴くというのは中々難しいもの。他者の言動に自己防衛的に反応してしまい、その背景や意図をしっかり聴く前に思わず否定してしまったり、遮ったりすることは残念ながらよくあることです。そうやって否定され続けると、「どうせ言っても・・・」となり、遂には意見やアイデアが出なくなります。そして出来上がったプランも魂の入らない形だけのものとなり、責任や想いを持って実行されることもありません。
自分の反応をグッと飲み込んで保留し相手の話を聴くことができないということは、ともすると地域の活性化に向けた素晴らしいアイデアを封殺することでもあります。これほど無駄で、勿体無いことはありません。
今回は「Yes, and法」を練習してもらいました。まずは相手の意見やアイデアを「いいね!」で肯定的に受け止め、その魅力を伝え、さらにそこに自分の意見やアイデアを重ねていきます。相手の意見やアイデアに対してその魅力を伝えることは、相手の大事にしている価値観やこだわりに対する認知の役割を果たします。そして他者の意見やアイデアに乗っかることで、自分一人では思いつけなかったイノベーティブなアイデアへと発展していきます。今回は、「子どもの笑顔が溢れる大河内地区にするには?」をテーマに話し合いをしてもらいましたが、実際に奇想天外なアイデアも出てきました。他者の話を否定したり遮ったりしていたら絶対に出てこなかったアイデアです。
大人になると、仕事を通じて会議やプレゼンテーションの機会は山ほどありますが、その前提となる話し合いの方法をきちんと学ぶという機会はあるようで、実はありません。「大人の義務教育」として、しっかり学ぶ機会が必要ですね。