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『中学生未来会議2019』in 阿東中学校

2019年12月13日 事業レポート

昨年、一昨年と開催してきた山口市阿東中学校での『中学生未来会議』。1年〜3年の全校生徒40人強を対象に、今年は11月8日と12月13日の2回にわたり開催しました。代表)長浜はコーディネーターを務めました。

11月のプレワークショップでは、日本全体、そして阿東地域における人口減少の実態を理解するとともに、その地域の未来を担うのは自分たちであること、そして地域づくりを担うために必要な武器としての「地域資源」にはどのようなものがあるかを学年ごとに探求していきました。

 

 

いわゆる地域資源には、以下の3種類があります。

【強み】他の地域にはないもの(オンリーワン)/他の地域よりも勝っているもの(ナンバーワン)
【同等】自地域にも他の地域にもあるもの
【弱み】自地域にはないもの

ないものねだりをしたり、巨額を投じてどこにでもあるようなものを創り出すのではなく、いかに比較優位にあるものをさらに磨き上げて魅力を高められるか、そして自地域にも他地域にもあるようなものでも上手く組み合わせて新しい意味付けをすることで付加価値を出すことができるかという視点を持つことが大事です。歴史や文化、自然/景観、教育/福祉施設、特産品、気候、食べ物、エンターテインメント、人など、その地域に長く住んでいるとなかなか気づけない資源が地域にはあります。”いつもの”建物や風景を地域資源のフィルターをかけて見直すことでダイヤモンドの原石のように見えてくるもの。最終的には、50を超える地域資源をリストアップすることができました。

12月の本番では、中学生に加え、先生や地域住民の皆さん、県外からの訪問者も参加。さらに山口市で開催している地域づくりコーディネーター養成講座『やまぐち草莽塾』の参加者をグループワークのファシリテーターに迎え、地域資源を3つ組み合わせて地域課題を解決するための事業アイデアを創発するワークショップを行いました。

 

 

対象となる地域課題は、阿東の地福地域の5カ年計画で掲げられた、以下の5つで、出されたアイデアはこれら地域課題の解決に寄与するものとして位置づけられました。

  ①いつまでも健康で自分らしい生活を送れる
  ②生きがいを持ち、住み馴れた地域(自宅)に住み続けられる
  ③生活バスの充実(導入)など、移動手段を確保する
  ④トイトイを中心とした交流の場を拡充する
  ⑤若者が移住定住したくなるような魅力をつくる

まさに老若男女が入り混じり(!)、短い時間にもかかわらず、頭をフル回転させながら、そしてうまく他の人のアイデアに乗っかりながらアイデアを捻り出し、最終的にはなんと150を超えるアイデアを出しました。そこからさらにグループで課題解決に向けた効果の高いアイデアを3つ選出して壁に貼り出し、最後に全員で投票してNo.1アイデアを決めました。

 

 

中学生未来会議』は文字どおり中学生が主役ではありますが、あくまでも切り口の1つに過ぎず、地域の大人も参加して様々なつながりや相乗効果を生み出すことが本当の狙いです。大人は次世代にツケを残すのではなく、できる限り最善の状態で次世代に地域を引き継ぐ責任があります。先入観や慣例に囚われずにクリエイティブにアイデアを出す子どもたちの姿を側でみながら、あらためて自分たちが地域でやることは何かということを確認する機会になったのであれば嬉しく思います。

子どもたちからいただいた貴重な貴重なアイデアは大人が預かり、実現に向けて更に磨き上げていきます!