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ファンドレイジング における6つの見極め

2021年10月29日 代表メッセージ

 

10年前と比べ、NPOをはじめとするソーシャルセクターにおいては、ファンドレイジングという言葉は当たり前のように浸透しており、そしてその実践においても様々な知見が積み重なってきています。クラウドファンディングやスマホなど、ICTの普及が団体にとっても、そして支援をする側にとっても、その後押しをしていると言っても良いでしょう。

ファンドレイジングが”当たり前のもの”として組織で認識されるのは歓迎すべきことですが、寄付や会員制度の構築であれ、新規事業へのチャレンジであれ、ファンドレイジングを推進していくにあたり組織内部で見極めておくべきことがあります。以下に、ファンドレイジング における6つの見極めるべきポイントをまとめました。


①そもそも必要なのはお金なのか、それとも他の経営資源(人・モノ・場所・情報)なのかを見極める。

本当に必要なものがアイデア、専門性(スキル)、人手、活動場所、特定の物品、換金性のあるモノなら、直接アピールした方が使途が明確で集まりやすい。

②お金を獲得できるだけの事業の価値(成果)を提供できているかを見極める。

非営利/公益活動は営利企業と違い社会にとって”良いこと”ばかり。その良さを曖昧にせず、誰にとって、どういう風に、どのくらい良いのかを明確化/可視化し、社会に伝えよう。

③自団体の成長ステージや活動分野や事業内容、地域特性、ターゲットの属性等に合わせ、どの収入/資金源が適切か(獲得のしやすさ)を見極める。

チャレンジは大事だが、寄付やクラファン等、周りが実施しているからといって過大な期待を抱かないこと。

④1つの収入・資金源に依存するのではなく、最適な資金源の構成比率を見極める。

コロナ禍にみるように、先が見通せない複雑化した社会では、お金のリスクを分散させる必要がある。”〇〇漬け”になり、やりたい事が出来ない状況にならないように。

⑤最終的に手元に残る利益は「収入ーコスト」であるため、収入拡大だけでなく、コスト削減の観点でも取り組むべきことを見極める。

穴の空いたバケツにいくら水を汲んでも無駄。まずは贅肉を削ぎ落とし筋肉質にしてから、お金を増やす施策を考える。

⑥ファンドレイジング施策を誰にどうやって伝えていくのかを見極める。

HPやSNSで情報発信すれば勝手に善意のある誰かが見てくれ、お金を獲得できる訳ではない。ターゲットや広報ツールの選定、タイミングや場所等、相手の立場に成り切って考える。


これら6つのポイントを整理・確認しないまま、組織の体制が準備が整わないままファンドレイジングを進めてしまうことが多々あります。逸る気持ちを抑えながら、冷静に、確実に、そして関係者全員が納得感を持ちながら実行していくことが大事ですね。