顔の見える関係から支え合える関係へ

横浜市泉区にて、『施設間のつながりを深める 〜顔の見える関係から支え合える関係へ〜』と題する講義&ワークショップを行いました。泉区には全部で28の施設がありますが、日々の業務に忙殺されてお互いにじっくりと対話をする機会も取れず、ましてやその先に待ち構えている地域課題の解決に向けた連携や協働には手が届いていないという実態があります。これは全国のあらゆる地域で起きていることでもあります。
ワークショップでは、単独(孤立)→つながり→相互支援→協働/連携の4つのステージを体感しながら、自分たちの現在地と今後のあるべき関係性について頭と心と身体感覚をフル活用してもらいました。
こうしたワークショップやセミナーなどの場では、開始前は参加者は席についてそれぞれ資料やスマホをじっと見ていることが多く、隣に座っている人と喋ることさえありません(単独/孤立)。今回もご多分に漏れずという状況でした。そこで、まずは冒頭のアイスブレイクをつうじて”会話”を行い、お互いの共通点を見い出していく中でつながりを醸成していきました。さらに”対話”を深めながら、お互いの強みと弱みの両方の自己開示が進んでいくと、それぞれの抱える組織運営上の課題を解決し合う相互支援ができる関係性へと発展していきます。今回のワークショップでは、他施設に提供できる施設資源(強み、提供できるもの/こと)と他施設から必要としているサポート(困りごと)を『お宝&お困りマップ』として整理してもらいました。28の施設がそれぞれ提供できる施設資源を全部まとめ上げて可視化してみると、実は解決できないことはほぼ無いのです。「お金が無い」と言いながらも、実はお金以外の施設資源で解決できることが多々あることに気づけるのです。ワークショップの後半では、「泉区が抱える課題は何か?」をテーマに取り上げて、ワールドカフェ形式で協働/連携についても少し歩みを進めていきました。「協働/連携は1日にしてならず」ですが、だからこそ施設共通の目的やゴールに向けて、まずは何が地域で課題になっているのか、何に取り組むべきなのかについて現状の目線合わせをすることが狙いです。協働/連携は、自分たちの組織課題が解決/減少されて余裕が生まれたり、お互い様の関係が当たり前となった先にポっと立ち現れてきます。目指すものというよりも、自然発生するという感覚に近いですね。

3時間半という短い時間でしたが、参加者の皆さんには自分たちの施設、そして他の施設との関係性の現状と今後について、しっかりと振り返る良い機会になったのではないかと思います。新たな関係性もみえてきた中、次なる一歩として具体的に何に取り組んでいくのか。全体をコーディネートする行政や支援センターのサポートとともに、新たな行動にチャレンジしていただけると嬉しいです。

