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『地域カルテ』作成のすすめ

2022年07月14日 事業レポート

周南市役所にて市民センター主事向けの研修会を行いました。

昨年度は地域づくりに携わる行政職員に不可欠なファシリテーションの技法について学んでいただきましたが、今年度は、地域づくりを進める際の前提となる、現状を把握するための『地域カルテ』づくりに取り組みます。『地域カルテ』とは、自分たちの地域がどのような“健康状況”にあるのかを把握するためにまとめたもの。特定の地域単位ごとに、人口動態をはじめ、健康、公共施設の配置状況、地域活動情報などの情報を見える化したものです。

 

 

そもそも現状が分からないと未来の姿(ゴール)は考えられません。現在地と行き場所が分かってはじめて、そのギャップ(差分)を埋めるための施策が考案されるはずです。地域づくりに関わる関係者の頭の中でそれぞれの地域づくりのイメージを描いるかもしれませんが、そのイメージは限定された日々の生活や行動範囲の中で見聞きした物ごとを自分なりの解釈で捉えたものに過ぎず、自分以外の他者の視点を持つことはかなり難しいのが現実です。こうして生じているお互いのイメージのズレに気づかなかったり、違和感を感じるままに、最後は声の大きな人や一部の人の意向だけで地域づくりが進んでいくことに不幸があります。だからこそ『地域カルテ』を作成をつうじてそれぞれの目線や認識をしっかり合わせ、地域の健康状況を可視化してお互いのイメージを共有・理解し合う必要があるのです。

 

 

<地域カルテ作成の狙い>

■地域づくりを推進していくにあたり、そもそも現状はどうなっているのか分からなければゴールが設定できない

■地域づくりにおける関係者それぞれの主観的な認識を合わせるための客観的な拠り所となる

■単なる情報の集計作業ではなく、カルテを作成するプロセスと、結果をどう解釈し活用していくかを考えることが狙いである

■カルテを作成するプロセスを主事や一部の関係者に閉じたものにせず、地域住民を巻き込んだ企画性(情報共有/広報、課題発見、参加/交流/連携など)のあるものにするのがポイントである

■主事の引き継ぎ時にも使えるため、地域において連続性/継続性のある取り組みや施策が可能となる

 

超少子高齢化が進み、地域経営に必要となる地域資源が減っていく一方で、これまで想像もつかなかったような地域課題が立ち現れています。現在ある地域資源を効果的・効率的に組み合わせたり掘り起こしたりしながら、どのように地域課題を解決していくのかという道筋をあらためて考えなければなりませんね。

今回は日帰りでの弾丸ツアー。
新幹線の中にいる時間の方が長かったですが😆、まずは良いスタートが切れたように思います。関係者の皆さま、お疲れ様でした!